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ホームページによる法人顧客の新規開拓(B to B)
1.出会い
木村木材工業株式会社の木村社長とは、ある経済団体のセミナーでお会いしました。
私のクライアントである「弓削多醤油株式会社」様が、ホームページ活用の実践例を講演しており、そこで私も少しお話をしたのです。
弓削多醤油の弓削多社長は、大企業にはできないユニークな商品を作り、
リアルの世界でもインターネットの世界でも好評を博していました。
NHKの朝の生放送に登場したり、多くの新聞や雑誌にも掲載されるようになってきたのです。
そのユニークな商品開発とホームページの活用についてお話されていました。
それを聞いていた、木村さんは「なにか、本物志向の商品をつくらなくては」と考えたそうです。その考えは、後に実行されます。
偶然にも講演後のグループ討論で、私と同じグループになり、なんとなくいろんなお話をしていました。
当時はブログが流行りだした頃で、私もブログを書いていることもお話ししたと思います。
講演後、木村さんは、私のブログをみて、自分でもブログをスタートしました。そして、私とブログ上でのコミュニケーションが始まったのです。
2.その頃の会社を取り巻く環境
木村木材工業は、創立100年以上を誇る埼玉県の企業です。年商は20億円前後、
納税で表彰されるほど財務体質は非常に優れています。
事業は複数あります。
- 無垢造作材製造・加工
- 住宅用資材販売
- 山林伐採・索道工事
もし、あなたが関東在住で、マンションにお住まいの場合には、
窓枠や和室の鴨居・敷居をご覧ください。これらの木材は、木村さんの作った木材かもしれません。
なんといっても、関東で造作材のシェアNo.1なのです。
あ、「造作材」ってご存知ですか?
はい、建築業界の方は全員知っているキーワードです。
窓枠や鴨居・敷居など、溝をほったりして加工された木材のことです。
一般の方はご存じない方がほとんどでしょう。
この「造作材」で関東シェアNo.1なのです。
しかし、マンションの窓枠。。。。木でできていますか?
ひょっとして、表面だけ「木の模様がついたプリントシール」がはっていませんか?
または、白いプラスチックかもしれません。
マンションで「本物の木」の代わりに「木の模様のシールがついたもの」が使われる理由はわかりますか?
それは、最初の建築費を安くするためです。シールをはっただけなので、もちろん安いです。
また、施工も簡単です。とにかく、「安く・早く」がマンションを建築する際の基準なのです。
しかし、最終的には「立派な価格」で販売されます。
そうしなければ、粗利が出ないからですね。
マンションを買う際には、奥様が重要な意思決定者になりますので、
「キッチンの使いやすさ」が重要になります。
また、マンションの「耐震性」も気になるところです。
もちろん、駅から近いほうがいいでしょうし、日当たりも気になります。
さらに、周りの住環境・病院・公園・学校の位置も気になりますね。
購入者はあまり、窓枠の木材がシールやプラスチックで作られているかなんて気にしないようです。
ということで、マンションにおける特に窓枠の木材使用率はどんどん減っています。
毎年、木村さんのマンション向けの造作材が右肩下がりになっています。
自社工場で、製造していますので、社員が手持ち無沙汰で何をしていいのかわからない状態が散見されるようになりました。
「社長、何したらいいんですか?」
こんな質問されたら、あなたもドキっとしませんか?
社長としての能力を認められていないように自責の念にかられるかもしれません。
私なら、そう感じてしまいます。
木村さんもそんな状態にあったそうです。
マンション業界にももっと木材を使ってほしい。
そんなメッセージを発信しなくてはいけません。
本物の木材を使わない場合には、窓際の湿度調整ができないため、
結露が助長されてしまうことがあります。
部屋の湿気が多い時には、木は湿気を吸収します。
逆に、乾燥しているときには、気の内部の湿気が放出されます。
自動的に湿度コントロールを行っているのです。
また、シール、つまり塩ビシートをつかった建材は、廃棄にこまります。
リサイクルできないのです。社会的にリサイクルコストがかかります。
つまり、ゴミになるだけの建材をつかってマンションをどんどん作っているのです。
そんなマンションを買うということは、ゴミになるマンションを支持している、と言えるのではないでしょうか。
リサイクル可能な本物の木材を使っていれば、ゴミになる可能性は減らせます。
このような、メッセージをブログを中心にマンション業界にアピールしてきました。
しかし、それだけで、会社の置かれている環境を変えることはできません。
マンション業界は「低コストで建築し、高く売る」ことが最優先です。
消費者がシールやプラスチックが大量に使われているマンションを支持している(=買う)状況では、変えるのは難しいでしょう。
3.木材が喜んでつかわれるところはどこか?
消費者の支持がほとんどないため、マンション業界は動きません。
では、
消費者の支持がある業界はどこでしょうか?
それは、「戸建て」です。
やはり、木造一戸建ての場合には、こだわりをもって「本物の木を使いたい」と思う消費者がたくさんいます。
時代も「環境」「エコロジー」「持続可能」「ロハス」などが目につきます。
自然志向の木造住宅にこそ、本物の木を使ってもらえる可能性があるのです。
消費者が自然志向であれば、それを提供する「工務店」「設計事務所」「リフォーム会社」もそれを提供しなければなりません。
そうです。マンション業界はこれからも啓蒙するとして、一方で新しい業界へ進出する道があったのです。
4.オリジナル商品を売る
戸建て業界に木材を販売するとしても、何かオリジナル商品がなければ、アピールしません。
それは、弓削多醤油様の講演を聞いて思ったそうです。
自社にしかできないオリジナル商品を作る!
そう決意した木村社長は「無垢材に蜜蝋ワックスを塗った『本物の窓枠」」を開発しました。
木材の呼吸する機能を止めないために蜜蝋ワックスを塗り、窓際の結露を減少させる商品です。
化学薬品で塗装しているわけではないので、臭くもありません。
本物志向でこだわりのある戸建てに向く商品です。
- 新しく切り込む市場を見つけた
- オリジナル商品も開発した
そこまでたどり着いた木村社長ですが、あと一歩決定的に足りないものがあります。
それは、「戸建て業界では、だれも当社の名前を知らない」
ということです。
実は、マンション業界で「木村木材工業株式会社」は、知られた存在です。
無垢材製造量は日本一ですし、100年の長い歴史もあります。しかし、戸建て業界においては、ほとんど付き合いもなく、無名といっても良い状況でした。
このままでは、売り先がないことを意味します。
5.誰も社名をしらない。
社名を知ってもらうには、いくつもの方法があります。
- DMを送る
- FAXDMを送る
- 電話営業をする
- 会社訪問をする
- インターネットを活用する
木村さんが選んだのは、もちろん「インターネットを活用する」ですが、なぜ、他の方法を選ばなかったのでしょうか?
まず、DMやFAXDMは紙の無駄遣いで環境に悪く、会社の理念に合いません。
「環境を大切に!」と言っておきながら、チラシやDMやFAXをばらまく会社は本末転倒ということですね。
そして、電話営業。これもやられる側の立場にたてば、ハタ迷惑なことがわかります。
人に嫌がられることをしてまで営業したいとは思っていません。
会社訪問については、数多くの会社を訪問していては、
営業マンのコストだけでも毎年、数百万円かかります。そして成果はあるか疑問ですね。
残るはインターネットです。
毎年、数百万円も営業マンに支払うより、ホームページを作ったほうがよっぽど安上がりです。
なにしろ、24時間働きますし、社会保険も雇用保険もいりません。
気に入らないから解雇(=閉鎖)したって、労働監督基準局に駆け込むことも、
会社都合退職にしてくれ!なんていいません。
格安で文句を言わず有給休暇なし24時間年中無休で働く営業マンなのです。
結果としては、「毎月100件の引き合い案件を持ってくる」営業マンになりました。
それなのに、毎年数百万円の給料を支払う必要がないのです。
今後、インターネットを営業に活用しない会社は、人的コストで会社の利益が吹き飛んでしまうのではないでしょうか。
話は、それましたが、「業界に社名がしられていない」ことを打破するために、
「インターネットで営業する」ことを選択したのです。
ここで問題です。あなたの会社の社名を誰も知らない場合、どうやって会社のホームページを見せたらいいのでしょうか?
そもそも、お客さんがヤフーの画面を開いて、あなたの会社名を検索できないのです。
そこで、あなたが検索するときの気持ちを振り返ってみましょう。
6.インターネットで検索する気持ち
ヤフーの画面を見ながら、あなたは何を検索したことがありますか?
「名刺交換をした会社が、どんな会社なのか知りたい・・・よし、会社名を入れてみよう」
これは、すでに名刺交換をして、社名が知られている場合ですね。
「あのテレビで取り上げられていた花畑牧場の生キャラメルはおいしそうだな。。。。よし、花畑牧場と入れてみよう」
これも、テレビで社名が知られている場合ですね。
「今度、出張するのにホテルに泊まらなくちゃな。。。。えっと、『ホテル 仙台』と入れれば、何かでるかな。」
これは、社名(この場合はホテル名)が知られていない場合に当てはまります。
行きつけのホテルがなくて困っている、名前がわからないが、検索すれば何か出るだろう。という気持ちです。
つまり、「見込み客が誰か」と「困っていること」と「困って入力するキーワード」です。
- 「見込み客は誰か」=仙台に出張にいくビジネスマン。
- 「困っていること」=仙台に行きつけのホテルがないのでわからない。
- 「困って入力するキーワード」=「仙台 ホテル」
さて、木村さんの場合には、どうでしょうか?
工務店やリフォーム会社の場合、窓枠や鴨居、敷居などの「造作材」が必要になります。
しかし、急な現場で足りない場合もあります。
また、材木会社が倒産した場合に、どの会社と付き合えばいいのか分かりません。
そんな時に「造作材」と検索するのです。
- 「見込み客は誰か」=工務店、建築士事務所、リフォーム会社
- 「困っていること」=窓枠、鴨居、敷居などをどこかに発注したい
- 「困って入力するキーワード」=「造作材」
つまり、社名が知られていなくても「造作材」と検索された時に、会社のホームページが表示されればいいのです。
- あなたの会社の見込み客は、誰でしょうか?
- そして、何に困った時にインターネットで検索するでしょうか?
- その時のキーワードは何ですか?
これがわかれば、あなたの会社がまったくの無名であっても、ホームページを見てもらえる可能性があります。
7.「造作材」で検索したみた
実際に「造作材」で検索してみましょう。
ヤフーもグーグルも1位または2位だと思います。
これはSEOといって、あるキーワードが検索された時になるべく上位に表示されるように工夫をする作業の効果です。
しかし、そもそものキーワードが正しくなければ、いくら上位表示されても全く意味はありませんが。
「造作材」の実際の検索結果では、「木村木材工業株式会社」と「造作材.com」という2つが上位に表示されているはずです。
これは、どちらも木村さんのホームページです。
会社本体のホームページと、キーワード専用のホームページを分けています。
なぜならば、会社には、他にも「原木」などの事業部があり、
それは「造作材」で検索してくれた工務店さんなどが買うものではないからです。
つまり、原木を販売するためには、別のホームページが必要なのです。
ということで「原木販売.com」というホームページもあり、やはり上位に表示されます。
一つのホームページであれもこれもというキーワードで上位表示はできません。
売りたいもの別に見込客も違いますし、彼らが入力するキーワードも違います。
社名が知られていないのですから、キーワードごとに集客する必要があります。
これがホームページは一つより、複数持ったほうが良い理由です。
8.効果
「造作材」で上位にくる木村さんのホームページは、
毎月100件もの引き合いを連れてきます。その2割から3割が成約に至ります。
また、工務店やリフォーム会社の方が、工場見学にくるケースも増えました。
新しい見込客が会社にちょくちょく来るようになると、実は、会社の社内の雰囲気が変わってきたのです。
つまり、第三者の目があると、社員が引き締まるそうです。
また、インターネット経由で新しい可能性が広がっていることも実感できるようです。社長としての面目も少しはアップします。
インターネット経由で年間数千万円の取引が現在では発生します。
ホームページ自体の費用はそれに比べれれば少ないものですが、
そこに至るまでの社長や社員の努力はやはり必要でした。
それはそうですよね。毎月100件もの引き合い、ということは、お返事だけでも1000回、
もっとやり取りする方もいますので、ざっくりいって300回ほどはやり取りが必要ということです。
お見積りを出すだけでも非常に大変です。
しかし、社長のリーダーシップと社員の協力もあり、現在はスムーズに処理が進んでいるようです。
9.改善
工場見学の希望者も増えてきました。取引前に、工場の様子を確認したいということですね。
驚くことに、工場見学をした方は実に8割の確率で成約に至ります。
そのため、とにかく早く工場見学してもらったほうが、成約率は上がるのではないか、
ということで、ホームページも「工場見学のお申し込み」というページもついかしました。
さらに、「バーチャル工場見学」という動画コーナーもつくり、ユーチューブにアップされた動画を10種類以上見ることができます。
これで、遠方の方も気軽に、工場内部の様子や仕事のプロセスがわかります。
ホームページは、改善の連続です。より効果が上がるように日々考えていくことが大切ですね。
なにより、感心するのは社長のやる気です。
オリジナル商品の開発、新規市場への切り込み、インターネットの活用、そして改善。
面倒なことでもまず自分でやってみて、それから社員に振り分けています。
そして、「会社の理念を忘れない」姿勢に頭が下がります。
「環境を大切にします!」とお題目でいうことは簡単です。
しかし、環境に配慮したマンションのフルカラーの広告が大量にばらまかれているのを見て、なにか感じませんか?
「口先だけじゃないか?」
木村さんはその点、真摯なほどにブレがありません。
ひょっとしたら、その信念のパワーがインターネットを通じて、伝わっているのかもしれません。
私はそう思います。
あなたはどう感じますか?
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